夜中の12時。マンションの火災報知器が鳴り始めた。うちのマンションはしょっちゅう誤報でアラームが鳴り響く。今回もまたその一つだろうと主人は寝に戻った。私もそうだろうな〜と思いつつ居間の窓の外をちら見して寝室に戻ろうとした。
その時目に映ったのが、うちから見える斜め前の同マンション群の一部屋のベランダに男性二人。彼らが外で何かを発見し、ヤベ!マジかよ!。正にそんなことを言っているかのような焦りっぷりで部屋に走り戻って行くのが目に入った。
寝室のドアの前で足が止まり、もう一度居間の窓の外を見る。
なんと中庭を挟んで向こう側から白い煙がモクモク。あれ?もしかして煙? なんて思っている間にすごい勢いで煙が立ち上り始めた。確信。100%煙。本物の緊急避難事態じゃないですか!
急いで主人を叩き起こし、逃げよう!と。
このとっさの時に頭をよぎったのは、
とにかく子供達の暖かい服とスノースーツ。
赤ちゃんのミルク
携帯、財布
主人にまずトイレ行って!っと行かせる。(なぜか息子に言うつもりが主人に言ったので、主人が眠気眼でトイレを済ます。)
その間に私は息子に靴下と靴を履かせ、スノースーツを着せる。
そして下の子をスノースーツに入れ、家族4人で非常階段へ。
向かいのお兄さんが大丈夫?とうちの荷物の多さ(念のための着替えとミルクをカバンに詰めて持っていた私)を心配して、荷物を持ってくれた。
仲良くしてくれている ご近所(ダウンタウン側のユニットで煙が見えないはず)のドアをドンドン!とだけ叩いて、主人が上の子、私が下の子を抱っこして階段で地上に。
地上に付くともう既にたくさんの人が避難していた。一階のフロアで子供を横にさせ待機。上の子がトイレと言い出す。この緊急事態、仕方が無いので寒いけど外で失礼させた。ああさっき、間違えて主人にトイレ行かせたのか。とここで気づく。
報知器が鳴り止んだので皆また階段で上に。部屋に戻り、子供達をベッドに寝かせた数分後、また報知器が。マンションの廊下から匂いが立ちこめる。これはまずい!
今度はさきほどのご近所さんが手伝いに来てくれて下の子を抱っこして下まで降りてくれた。
地上でまた皆で待機。たまにエレベータで会うロシア人のマダム。スペイン系のご近所さん。向かいのカナダ人のお兄さん。
お隣の父娘親子は報知器一回目に降りて来て戻って行ったきり二度目は下に来なかった。お父さんは足が悪いのだ。一回目だってゆっくりだけどお父さん頑張って非常階段を降りきっただけでもすごい労力だったことだろう。
そんな事を考えていたら消防隊からの放送メッセージ。「火は管理下に入りました。」 。その放送で皆安堵の色。まるで長距離飛行を終えた飛行機が目的地で無事着陸した時のように、皆一斉に拍手する人やらザワザワが始まった。
今度はエレベータも動きだし、部屋に戻りようやく眠りについた。一晩中匂いはあったが、とにかく大事に至らなくて本当に良かった。
オーフー! オーフー! Au Feu ! Au Feu! ウーウーウー! 昨日鳴り響いていた報知器と消防車の音で柳沢慎吾ちゃんのサイレンネタをミックスさせながら、寝不足のハイテンションな朝を迎えた。
昨晩はそれどころではなく、消防車の写真が撮れなかったので、以前撮った写真をどうぞ。
消防隊 |
暇な時は遊んでくれる |
カナダの消防車 |
消防署 |
0 件のコメント:
コメントを投稿